エンディングノートとは、今日から役立つメモ帳だった。

1. エンディングノートとは?
エンディングノートは、自分に万一のことがあったときに備えて、重要な情報や希望をまとめておく私的な記録帳です。
そのため記載できる内容は決まっているわけではないですが、一般的には連絡先や資産の情報、医療や介護の希望、葬儀やお墓の希望などを記入する場合が多いです。最近ではネットやスマホのアカウント情報を記入するケースも増えてきています。
また、その名前から「人生の終わりの準備をするためのもの」と思われがちですが、実際には災害や急病など予期せぬ事態でも、家族や関係者が悩まずに本人の意思を確認できる“安心の備え”として活用できます。さらに、ご自身が忘れがちな情報をすぐに確認できるメモ帳としても効果を発揮します。まずは気軽に自分にあった項目から書き出してみることから初めていただければOKです。
2. 「終わり」だけじゃない!今日から役立つ活用シーン
最初にも触れましたが、エンディングノートと聞くとその名前から、人生の終わりを準備をするための“高齢者のためのツール”と考える方が多くいます。しかし、実際には若い世代や現役世代にも価値がある生活情報の整理ツールなのです。
例えば、こんな意外な場面で役立ちます。
- 突然の入院や手術
延命治療の可否や、入院時に必要な連絡先を医療者に正しく伝えられます。 - 自然災害や事故で外出・連絡ができないとき
家族が公共料金や金融機関の情報をすぐに確認し、滞りなく対応できます。 - 単身赴任や離れて暮らす家族との緊急連絡
親や子どもの緊急連絡先・健康情報・生活の鍵となる情報を事前共有できます。 - ご本人が今後の人生設計を考えるとき
今後の人生で必要な資金計画の目安や、各種公共機関の契約状況やパスワードを確認できます。
こうした活用例を見ると、エンディングノートは「人生のラストシーン専用」ではなく、むしろ今日から使える生活の保険のような存在であることが分かります。
3. 書くと便利な主な項目
エンディングノートは発行元やデザインによって構成が異なりますが、実際に役立つとされる代表的な項目は次の通りです。
- 本人・家族の基本情報と重要連絡先
氏名、生年月日、住所、電話番号、勤務先、緊急連絡先など。 - 銀行口座・保険・クレジット・各種引落し情報
金融機関名、口座番号、保険証券番号、利用中のクレジットカードやサブスク情報など。 - ID・パスワードや契約中のオンラインサービス
SNSやメール、クラウド、ネット銀行などのアカウント情報。 - 医療・延命・介護に関する希望
延命治療の可否、介護方針、かかりつけ医や薬の情報。 - 葬儀・お墓・菩提寺についての希望
葬儀の規模や形式、菩提寺の有無、墓地の場所や契約内容。 - 住まい(自宅の扱い方・鍵・設備情報)
自宅の権利関係、合鍵の保管場所、設備や修繕履歴など。 - ペットの世話について
飼育方法、かかりつけ動物病院、フードや日課。 - 遺言書や保険証券等の保管場所
公正証書や遺言書、生命保険証券、不動産登記簿の所在。
これらを網羅しておくと、いざという時に必要な情報を探す・調べる時間や精神的な負担を大幅に軽減できます。
4. 選び方のポイント
エンディングノートは、官公庁や自治体、保険会社、文具メーカー、金融機関など、さまざまな団体が発行しています。「これが本物」という統一規格はなく、どれを選んでも問題ありません。
しかしたくさんあって悩んでしまうという方のために選び方のポイントをまとめました。以下の通りです。
- 目的に合った項目が揃っているか
医療や介護の希望を重視したい人もいれば、資産や契約情報を中心に整理したい人もいます。まずは自分に必要な欄があるかを確認しましょう。 - 記入のしやすさ
文字サイズや記入欄の広さ、項目の分かりやすさも重要です。特に手書きの場合は書きやすいかどうかが長く続けられる鍵になります。 - 形式の好み
紙の冊子は手軽で見返しやすく、PDFやアプリ版は検索や修正がしやすい利点があります。保管や共有のしやすさを考慮して選びましょう。
実際には、まずは無料配布版や簡易版で試してみて、物足りなければ市販の本格版に切り替える方法もおすすめです。
5. 注意点と落とし穴
エンディングノートは非常に便利ですが、使う上で注意すべき点もあります。
- 法的効力はない
エンディングノートは法定様式ではないため、相続分の指定や遺産分割の指示は法的に拘束力を持ちません。効力を持たせたい内容は、必ず遺言書や公正証書で用意しましょう。 - 情報収集と管理の手間がある
医療・葬儀・相続など多岐にわたる情報を、自分で調べて判断しなければなりません。またその情報に更新があった際は誤情報にならないように修正が必要です。 - 管理は慎重に
記載内容は個人情報の塊です。所在や保管場所は家族と共有しつつ、第三者に漏れないように鍵付きの場所や暗号化ファイルで保管するなどの工夫が必要です。
このように法的な拘束力を持たせたい、しっかりと情報管理したい場合は個人の負担が多い場合があります。その場合は専門家のサービスが付属するプランをご検討されることをおすすめします。
6. 当サービスのサポート内容
弥侑feelでは、これまでに培ってきた医療機関・葬儀場・事務委任の豊富な経験を活かし、お客様一人ひとりの希望や状況に合ったサービスや事業所をご一緒に検討・ご提案いたします。
また、弁護士や司法書士などの専門家と連携し、以下のようなサポートも行っています。
- 公正証書や遺言書の作成サポート
- 葬儀や墓地の手配先の選定
- 医療や介護に関する死後事務委任契約
「何から手を付ければよいのか分からない」という方も、初期段階から伴走しながら最適な形を整えていきます。
ご興味がある方は、ぜひ下記フォームからお気軽にご相談ください。
7. まとめ
エンディングノートは「終わりの準備」だけではなく、日常の安心を支える情報整理のツールです。
元気なうちに少しずつ書き足していくことで、自分も家族も安心でき、もしものときの混乱や負担を大幅に減らすことができます。
- 自分の意思を確実に残せる
- 家族の迷いや負担を減らせる
- 今日から役立つ情報の整理帳になる
まずはわかることを書き出すことからで十分です。ぜひあなたも今日から制作を始めてみませんか。